第6回 スマートビル将来ビジョン 検討会について

2024.12.17UP

第6回 スマートビル将来ビジョン 検討会の委員会として
代表理事巻口が参加しました。

~スマートビル将来ビジョンの趣旨~
経済産業省、IPAのデジタルアーキテクチャ・デザインセンター(DADC)は、Society5.0を実現するために、社会システムや産業構造をうまくつなぎ合わせて、日本の産業力を強化し、信頼性を確保することを目指しています。同時に、社会の問題を解決するために、多くの人たちが参加し、透明で公平で中立性のある「アーキテクチャ(全体像)」を作り上げ、デジタル時代に必要な社会全体の基盤を築き、広める活動を行っています。

政府のデジタル田園都市国家構想基本方針を受け、また民間からの依頼もあり、DADCではスマートビルに関するアーキテクチャ設計を進めています。この中、関連する省庁の支援も得ながら、スマートビルに関わりのある有識者で構成された「スマートビル将来ビジョン検討会」を2022年度に立ち上げ、将来のスマートビルの姿や業界団体の結成について協議検討を重ねています。そして、2024年度には、具体的なスマートビルの導入策やその進め方について議論する予定です。

スマートビル将来ビジョン検討会では、コンソーシアムの設立に向けた議論が中心となりました。特に、普及勉強会で議論された内容に欠けている視点や認識の誤り、そしてコンソーシアムの設立趣旨や機能、形態に関する方針の適切性、次年度以降のDADC活動やコンソーシアム設立準備会の計画の妥当性についての意見が求められました。

 

第6回検討会の中で巻口は主に以下の内容を述べました:

大きく分けて2点について述べます。

まず1点目は体制についてです。各分科会の構造や連携が極めて重要だと考えています。ユースケースやMSI、データモデル分科会などが、どのように入れ子構造の中で機能し連携しているかが鍵となります。この連携が不十分な場合、業務が行き来し、非効率になる恐れがあります。特に、空間IDとサービスロボット分科会のように、相互に密接な連携が求められる組織同士の調整が重要です。また、行政との連携については、法律改正やガバメントリレーションにおいて体制が整っていないことが課題として挙げられます。不動産クラウドファンディング協会で行っているように、議員を巻き込む体制を構築する必要がございます。法律を制定するのは議員であり、経済産業省などと連携するだけでは十分ではありません。議員との有機的な関係を築くことで、より実効性のある取り組みが可能となるでしょう。

2点目は街づくりについてです。賃料が上がりにくい現状について、1社や1オーナーの出資額には限界がある点が背景として挙げられます。本来、街づくりを考える際には、スマートビル単位ではなく、スマートシティ単位での視点が求められます。ヨーロッパでは、歩きやすさや商店街の充実度といった街全体の価値が不動産評価の重要な要素となっており、これを参考にすべきと考えます。また、街全体で資金や情報を共有し、有機的に連携する仕組みが不可欠です。APIやデジタルサイネージを活用し、例えば「飲食後にエンタメ施設を利用する」といった流れをデータでつなぐ仕組みを作ることで、街全体で価値を高めることが可能になります。

現在の「スマートビル推進」だけでは限界があり、将来的にはスマートシティ構想を視野に入れる必要がございます。この視点を取り入れることで、ユースケースの実現可能性を高めるだけでなく、不動産オーナーにとってもより魅力的な取り組みとなると考えます。

YouTubeアーカイブ配信はこちら

ぜひ討論会の様子をご覧ください。

ほかの記事も読む