不動産テック協会とGeolonia不動産共通IDの無料提供を開始
~46社が利用登録、年内100社の利用目指す~
一般社団法人不動産テック協会(代表理事:赤木 正幸、巻口 成憲、以下、不動産テック協会)は、位置情報に関するシステム開発会社である株式会社Geolonia(本社:東京都文京区 代表取締役社長:宮内 隆行、以下、Geolonia)と共同で、不動産に関わる全ての業界の情報連携を目指し、国内の土地や建物等の不動産情報に対して共通IDを付与する「不動産共通ID」β版を2021年4月15日(木)から提供開始しました。
背景
不動産に関する情報は不動産事業者各社において、「住所」や「物件名」などで物件を特定して管理されています。しかし、「住所」や「物件名」の表記方法が統一されていないため、同一の物件の住所でも「三丁目」と「3丁目」といった表記ゆれや誤入力が発生しており、同一物件の特定が難しく、各社が持つ不動産情報の連携が困難であるといった課題があります。こうした課題を乗り越え、生活や企業活動のうえで有用かつ必須な不動産情報の利用可能性を広げるため、私たち不動産テック協会とGeoloniaは共同で2020年7月31(金)日より、「不動産共通ID」プロジェクトをスタートしました。
不動産共通ID提供方法について
2021年3月15日(月)に事前利用登録を開始し、大手不動産会社や不動産テック企業、公的機関など46社が不動産共通IDの利用登録中です。本日から登録者には専用サイトのIDとパスワードが配布され、APIキーと仕様書などが閲覧できるようになります。
新規に登録を希望する方はコチラ
不動産共通IDアカウント発行フォーム https://retechjapan.org/common-id/
利用プランと料金
不動産共通ID APIは、以下の料金プランで提供します。
無料プラン
不動産共通IDの取得は無料で利用できます。「参照API」では、IDの修正や統合があった結果、IDが新しくなっている場合に正しい不動産共通IDを返します。
エンドポイント名 | 入力 | 出力 |
---|---|---|
不動産共通ID API | 住所文字列 | 不動産共通ID |
不動産共通ID参照API | 不動産共通ID | 不動産共通ID(統合確認) |
有料プラン
有料プランは、レスポンスに正規化済みの住所と緯度経度を含みます。
緯度経度情報はデータベースなどに保存をすることはできません。ただし、30日まではキャッシュ(一時保存)が可能です。
エンドポイント名 | 入力 | 出力 |
---|---|---|
不動産共通ID API | 住所文字列 | 不動産共通ID 正規化済み住所 緯度経度 |
不動産共通ID参照API | 不動産共通ID | 不動産共通ID(統合確認) 正規化済み住所 緯度経度 |
有料プランの料金
不動産テック協会会員 | 月額 1 万円(税込) |
---|---|
不動産テック協会非会員 | 月額 5 万円(税込) |
不動産共通IDとは
「不動産共通ID」は、住所や物件名などの不動産情報を活用したサービス連携をスムーズにします。「不動産共通ID」の整備は、行政においても長年の課題であり、不動産業界だけでなく、物流業界や行政などにも幅広く応用することができるインフラとなります。各社で管理方法や管理表記の違う不動産情報に対して、同一の物件を示す情報に共通のIDを付与することで、表記ゆれがある住所と物件名が入力されても、同じIDがレスポンスされる特定技術により、物件の特定が容易となるインフラ環境を構築します。これにより住所や物件名などの不動産情報のデータ連携にかかるコストが大幅に削減されます。
具体的な試み
開発期間の短縮やスムーズな連携を目指し、今後株式会社ライナフのスマートエントランス「NinjaEntrance」とヤマト運輸株式会社のマルチデジタルキープラットフォームとを連携した新しい配送手段に活用される予定です。
今後について
今後は不動産共通IDの利用を、年内100社を目標に頒布していきます。不動産テック協会は地図開発を得意とするGeoloniaと共同で不動産の基盤データを構築していくことで、不動産業界全体における情報連携を推し進め、データ活用の幅を広げてまいります。
不動産テック協会顧問からエンドースメントを頂いています
北川 登士彦 氏(元東急住宅リース株式会社 取締役会長)
不動産テック協会による不動産共通IDの提供が始まりました。全産業のDX推進が期待される中、今後、行政や企業が保有する様々な不動産データの連携により、不動産業界のみならず様々な業界による新たなサービスの開発が期待されます。建設・不動産業界においては、個別不動産に付与された共通IDに開発・売買・賃貸・修繕履歴等のデータを紐づけることで、取引時の業務効率化やそのデータの分析により、より透明性の高い情報の発信を期待しています。
参考資料
- 2021年3月15日(月)不動産テック協会とGeolonia社が不動産共通ID利用登録を開始
- 2020年7月31日(金)不動産テック協会、Geoloniaと共同で不動産情報の共通ID付与の取り組みを開始
不動産テック協会について
不動産テック協会は、現在 100 社超の加盟に対して、内 72 社(※2)は不動産テック企業が属する、日本最大の不動産テック企業の団体です。加盟企業には、仲介や管理業務、価格査定、ロー ン・保証など、多岐にわたる不動産業務の効率化や収益化のために、テクノロジーを活用しサービ ス提供する企業が加盟しています。各社ごとに保有する不動産情報は、数千~数億に及びます。
関連企業概要
一般社団法人不動産テック協会
代表理事:赤木 正幸、巻口 成憲
URL:https://retechjapan.org/
本社:東京都渋谷区宇田川町36−6
設立:2018年9月
活動内容
- 不動産テック(不動産×IT)業務に関する調査研究及び情報発信
- 不動産テック(不動産×IT)業務の標準化及びルールの確立
- 不動産テック(不動産×IT)従事者等の育成・指導
- ビジネス機会創出のための各種活動
- 国内外の関連諸団体等との情報交換や連携・協力のための活動とイベント開催
- 国及び地方公共団体等に対する協力並びに建議及び要望
- 前各号に掲げる事業に附帯又は関連する事業
株式会社Geolonia
代表 :宮内 隆行
U R L :https://geolonia.com/
本社 :東京都文京区千石4丁目15-7 YNビル4階
設立 :2019年9月
事業内容:
・位置情報に関連するクラウド事業
・位置情報に関連するシステム開発
・各種データ販売
本件に関するお問い合わせ
不動産テック協会 広報担当:青木
public-information@retechjapan.org