不動産テック協会とGeolonia社が不動産共通ID利用登録を開始~住所が関わるサービス連携をスムーズにし社会のインフラサービスとなることを目指す~

2021.03.15UP

不動産テック協会、Geolonia と共同で不動産情報の共通 ID 付与の取り組みを開始

一般社団法人不動産テック協会(代表理事:赤木 正幸、巻口 成憲、以下、不動産テック協会)は、位置情報に関するシステム開発会社である株式会社Geolonia(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:宮内 隆行、以下、Geolonia)と共同で、不動産に関わる全ての業界の情報連携を目指し、国内の土地や建物等の不動産情報に対して共通IDを付与する「不動産共通ID」β版を2021年4月から提供いたします。これに先駆け事前利用登録の受付を開始いたしました。(事前登録は2021年4月15日からのβ版提供開始に伴い受付停止をさせていただきました)

背景

現在、不動産に関する情報は不動産事業者各社において、「住所」や「物件名」などで物件を特定して管理されています。しかし、「住所」や「物件名」の表記方法が統一されていないため、同一の物件の住所でも「三丁目」と「3丁目」といった表記ゆれや誤入力が発生しており、同一物件の特定が難しく、各社が持つ不動産情報の連携が困難であるといった課題があります。こうした課題を乗り越え、生活や企業活動のうえで有用かつ必須な不動産情報の利用可能性を広げるため、私たち不動産テック協会とGeoloniaは共同で2020年7月31日より、「不動産共通ID」プロジェクトをスタートしました。

不動産共通IDについて

「不動産共通ID」は、住所や物件名などの不動産情報を活用したサービス連携をスムーズにします。「不動産共通ID」の整備は、行政においても長年の課題であり、不動産業界だけでなく、物流業界や行政などにも幅広く応用することができるインフラとなります。各社で管理方法や管理表記の違う不動産情報に対して、同一の物件を示す情報に共通のIDを付与することで、表記ゆれがある住所と物件名が入力されても、同じIDがレスポンスされる特定技術により、物件の特定が容易となるインフラ環境を構築します。これにより住所や物件名などの不動産情報のデータ連携にかかるコストが大幅に削減されます。

不動産共通IDはAPI(Application Programming Interface)での提供となります。不動産共通IDの取得は無償利用が可能ですが、正規化された住所や物件名を逆引き取得するプランなど有料の上位プランも準備しております。

不動産共通IDが解決する事

不動産共通IDは以下のような課題を解決します。

  • 「誤った住所や古い住所で登録されている物件が多く、郵送物が返ってきてしまう。調査し再送するのに人的コストがかかる。」
     →不動産共通IDにより正しい「最新の」住所が手に入ることで、スムーズに郵送物が届けられ業務効率が向上します。
  • 「不動産の修繕履歴がどこにも残っておらず、中古不動産流通の阻害要因となっている」
     →工務店や施工会社が不動産共通IDによって修繕履歴を集約。これまで不可能だった建物の修繕履歴の一元管理が可能となります。
  • 「社会問題となっている空き家問題の調査はアンケートで実施されており、正確な実態調査が出来ていない。」
     →国が大量に持つ衛星画像の夜間光街画像により夜間に灯がついていない(≒空室の可能性が高い)物件を不動産共通IDと緯度経度によって物件名を特定する事でどこに空き家があるか分かるようになります。
  • 「物流配送業界の再配送が問題となっている。」
     →スマートロックの在宅情報と物流業者の配送データベースを連携することで、在宅の家のみに効率的に配送することが可能となります。

不動産共通IDは住所が関わる日本の事業全体にイノベーションを起こし、上記のように様々な課題を解決することができます。不動産テック協会は地図開発を得意とするGeoloniaと共同で不動産の基盤データを構築していくことで、不動産業界全体における情報連携を推し進め、データ活用の幅を広げてまいります。

不動産テック協会について

不動産テック協会は、現在 100 社超の加盟に対して、内 72 社(※2)は不動産テック企業が属する、日本最大の不動産テック企業の団体です。加盟企業には、仲介や管理業務、価格査定、ロー ン・保証など、多岐にわたる不動産業務の効率化や収益化のために、テクノロジーを活用しサービ ス提供する企業が加盟しています。各社ごとに保有する不動産情報は、数千~数億に及びます。

協会概要

名称:一般社団法人不動産テック協会
代表理事:赤木 正幸、巻口 成憲
URL:https://retechjapan.org/
本社:東京都渋谷区宇田川町36−6
設立:2018年9月
活動内容

  • 不動産テック(不動産×IT)業務に関する調査研究及び情報発信
  • 不動産テック(不動産×IT)業務の標準化及びルールの確立
  • 不動産テック(不動産×IT)従事者等の育成・指導
  • ビジネス機会創出のための各種活動
  • 国内外の関連諸団体等との情報交換や連携・協力のための活動とイベント開催
  • 国及び地方公共団体等に対する協力並びに建議及び要望
  • 前各号に掲げる事業に附帯又は関連する事業

会社名:株式会社Geolonia
代表 :宮内 隆行
U R L :https://geolonia.com/
本社 :東京都文京区千石4丁目15-7 YNビル4階
設立 :2019年9月
事業内容:
・位置情報に関連するクラウド事業
・位置情報に関連するシステム開発
・各種データ販売

本件に関するお問い合わせ
広報担当:青木
public-information@retechjapan.org

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