【イベントレポート】第24回ビジネスマッチング部会「モビリティ×不動産テック特集」
第24回ビジネスマッチング部会が開催されました。今回はモビリティ×不動産テック特集と題し、各社10分前後でプレゼンテーションをいただいた後は、20分間のパネルディスカッションを実施しました。オンライン参加も可能ですが、原則としてリアルな参加者の声を優先しています。
イベントの一部をご紹介いたします。
第1部 各社プレゼンテーション
株式会社ハッチ・ワーク 増田様
株式会社ハッチ・ワークは2000年に設立され、地域社会との連携を軸に、革新的なサービスを提供してきました。設立から20年以上の成長を経て、2024年3月にグロース市場への上場を実現し、現在は「月極イノベーション事業」と「ビルディングイノベーション事業」の2つの主要事業を展開しています。
特に成長事業として注目を集めているのが「月極イノベーション事業」です。これまで煩雑だった月極駐車場のあらゆる手続きを、オンラインで簡単に行うことができるようにDXを推進しています。現在は、月極駐車場検索サイト「アットパーキング」の運営を軸に、管理会社向けに月極駐車場オンライン管理支援サービス「アットパーキングクラウド」を提供しており、駐車場の利用者と管理会社の利便性向上を実現しています。
利用者はスマートフォンでQR付募集看板を読み取る、またはネット検索で希望駐車場を確認すると、リアルタイムな空き状況や条件が閲覧でき、そのままオンライン上で申し込みや契約手続きを完了することが可能です。また、管理会社は「アットパーキングクラウド」の導入によって、空き駐車場の反響アップや大幅な業務削減ができ、収益向上にも期待できます。
さらに、ハッチ・ワークは駐車場のデータをデジタルで一元管理し、それを活用することで、月極駐車場の価値を再定義しています。例えば、電気自動車(EV)の充電設備を月極駐車場に設置した際の需要予測や、1日から30日間といった短期利用のニーズに応えるシェアリングサービスなども展開しており、新しいビジネスチャンスにつなげています。
将来的には「ファーストワンマイルステーション構想」として、月極駐車場を単なる駐車スペースにとどめず、様々なモビリティサービスの拠点として新たなサービスを生み出す、プラットオームになることを目指しています。実際に月極駐車場の空き区画をカーシェアリングの拠点に転用する支援や、デッドスペースを電動キックボードやシェアサイクルといった小型モビリティの貸し借りポートにするなど、次々に事例を発表しています。
今後も月極駐車場が「居住地周辺に多数ある」という性質を活かし、人々の暮らしを豊かにする取り組みを行っていきます。
アディッシュプラス株式会社 石川様
アディッシュプラス株式会社は2012年に設立され、創業当初はBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を基盤とし、企業のサポート業務を展開してきました。近年では、「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」という新たなモビリティ分野に注目し、移動手段の統合的なサービス提供に取り組んでいます。その中でも、カープール型ライドシェアサービス「notteco」を展開しており、相乗りという形で新しい移動の可能性を提案しています。
「notteco」は、ドライバーと乗客が移動にかかる実費を割り勘する形式を採用しており、日本の法律に基づいた適法な仕組みです。料金を相互に分担することで、手軽に利用でき、地域やユーザーに安心を提供しています。特にレジャーやイベント時の移動手段として需要が高く、また、人口10万人以下の都市や学生の通学手段としても幅広く活用されています。このサービスは、移動手段が限られる地方の方々にとっても、日常生活の中で便利に使えるシステムとなっており、多くの支持を集めています。
さらに、アディッシュプラス株式会社は「notteco」を通じて、移動手段の提供だけに留まらず、「LaaS(Land as a Service)」の価値にも着目しています。LaaSとは、地域や土地、そしてそのコミュニティを重視した取り組みを指し、同社は移動サービスを通じて地域社会との結びつきを大切にし、社会全体の活性化を目指しています。例えば、人口の少ない地域において、住民同士が移動手段を共有することでコミュニティが形成され、地域に根差した支え合いの文化が育まれることを目指しています。
アディッシュプラス株式会社は、こうした地域密着型のモビリティサービスを通じて、人々がより豊かな暮らしを享受できる社会の実現を目指しています。
第2部 パネルディスカッション
−「at home」や「LIFULL HOME’S」に掲載している空き情報は「アットパーキング」に掲載されてるものと同じなのか?
増田氏)
「アットパーキングクラウド」を導入していただいた管理会社の駐車場は、すべて無料で「アットパーキング」、「at home」や「LIFULL HOME’S」に掲載されている。ただし、「アットパーキングクラウド」は導入せずに、掲載だけをしている駐車場もあるので、その情報は掲載されていない。
従来、看板募集が主でネット掲載はしていなかったという管理会社が多数のため、複数の媒体に無料で自動掲載できるのは喜ばれている。
−「最近の若者は車を買わなくなった」と言われるが市場は右肩上がりか?
増田氏)
自動車保有台数の推移を見ると、実際にはクルマは増えている。そして、クルマを所有する際は法律で車庫証明が必要と決まっており、月極駐車場のニーズは多い。
−土地オーナーからみて、時間貸と月極はどちらが儲かるのか?
増田氏)
駐車場の場所によって変わる。駅近くや観光地などは時間貸が向いていて収益性の期待値も高いが、住宅地などは月極のニーズが多く、安定的な収益が期待できるので向いている。
−Nottecoはどのようにマネタイズをしているのか?
石川氏)
現在マネタイズは行っていない。
マッチング手数料で収益を得ることは可能ではある。
−ライドシェアの安全性に対する懸念にはどのような対策をしているのか?
石川氏)
ドライバー及びユーザーの本人確認を行う。
評価機能を入れて安全性を高めている。
−日本国内でUber流で行う方がいいか、独自で構築をした方が良いのか?
石川氏)
日本のタクシー業界はレベルが高いため、前提が違ってくる。
そのため日本に合ったやり方で進めていくことが必要だと思われる。
ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました
皆さまの会場でのご参加お待ちしております。